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裏はつりとは?基礎から解説溶接欠陥防止の施工手順と建築現場事例

「『溶接の裏はつりって本当に必要?』『仕上がりの品質やコストにはどれくらい影響が出るの?』――そんな疑問を抱いていませんか。現場の溶接作業において、裏はつり処理の有無で最終検査の合格率は大きく変わります。たとえば大型建築・土木現場では、確実な裏はつりを徹底したことで検査時の溶込み不良発生率を【30%以上】低減できたという事例も報告されています。

また、溶接工法の選択や作業手順によっては、わずか数分の裏はつり作業が後の補修コストを【数十万円】単位で抑える結果につながったケースが実際にあります。現場の効率化と品質確保を両立させるには、『裏はつり』という基本技術の正しい理解と実践が欠かせません。

「この工程を省いて本当に大丈夫だろうか…」と迷う場面こそ、確かな知識と経験に裏打ちされた判断が必要です。本記事では、裏はつりの定義や欠陥防止の具体策、現場で役立つ最新の施工法まで、初学者から経験者まで納得できる情報を徹底解説します。強度・美観・コストを全て両立したい方は、ぜひ続きをご覧ください。」

この記事の目次

裏はつりとは何か?基礎から分かりやすく解説 – 溶接品質向上の基本技術理解

裏はつりとは、溶接の際に裏側から余計な金属やスラグ、不良部分を除去して、溶接部の完全な溶け込みを実現するための技術です。鋼材の接合部や開先底部にできる未溶着や溶込み不足、スラグ巻き込みなどの欠陥を防止する目的で行われます。特に完全溶け込み溶接には裏はつり作業が必須であり、品質確保のための重要な工程といえます。

裏はつりは日本語で「裏斫り」とも表記され、英語では「back gouging」と呼ばれます。溶接記号では、図面や作業指示書に専用の符号(補助記号)で指定されることも多く、現場で作業ミスを防ぐ上でも欠かせません。

裏はつりの定義と役割 – 溶接における裏面処理の重要性を解説

裏はつりは、裏面からアークガウジングやグラインダーを使い溶接線の底部処理を行い、溶け残りや不純物を完全に除去して再溶接を容易にする作業です。この作業により、裏波ビードの形成や完全溶け込みの実現が安定します。

下記に裏はつりの役割を整理します。

項目内容
作業目的溶接裏面の不良部・スラグ除去
使用工具アークガウジング、グラインダーなど
適用部位主に突合せ、K開先、サブマージアーク溶接など
期待される効果欠陥防止、溶接強度向上、検査合格率アップ

裏はつりの正確な実施が、長期的な耐久性や安全性の高い溶接構造物の完成に直結します。

裏はつりと溶接欠陥の関係 – 欠陥防止における具体的効果

裏はつりを適切に行うことで、下記のような溶接欠陥を効果的に防げます。

  • 完全溶け込み不良
  • スラグ巻き込み
  • ピット、裏波不足
  • 表示面の未溶着

特に、高品質を求められる建築や配管の溶接において、裏はつりの有無は構造健全性の大きな分岐点となります。裏あて金なしでの完全溶け込み溶接でも、裏面欠陥を確実に取り除く手法として多用されています。

裏はつりが求められる溶接の種類と場面 – 完全溶け込み溶接との関連

裏はつりは、主に完全溶け込み溶接が要求される構造物で求められます。例えば、橋梁・鉄骨建築・配管・圧力容器など、高い強度や安全性が求められる分野です。

【活用される主な溶接方式】

  1. アーク溶接
  2. サブマージアーク溶接
  3. K開先付き突合せ溶接

このような場合、裏はつりを実施することで、溶接記号一覧表にも記載される完全溶け込み溶接の要件を満たすことができます。

裏はつりの具体的な作業手順では、まず溶接の一次ビードまでを形成し、その後ガウジング棒やグラインダーで裏面を整形・不良部分をすべて除去します。これによって二次、三次ビードの信頼性を大きく高めます。

土木・建築現場での裏はつり適用事例紹介

例えば鉄骨建築現場では、溶接部の裏波形成やルート部の強度確保のために裏はつりが採用されています。土木分野では橋脚や補強構造など、検査基準が厳しい現場で欠かせません。

下記のような現場例があります。

  • 鉄骨フレームのK開先突合せ溶接
  • 配管の高圧部位
  • 圧力容器の継手部
  • 建築鉄骨工事の主要接合部

裏はつりを行うことで、外観検査や超音波探傷試験にも合格しやすく、安全で信頼性の高い構造が実現します。

裏はつりの施工手順と実践テクニック – 溶接作業者向け詳細マニュアル

裏はつりとは、完全溶け込み溶接を行う際に、溶接部の裏側から母材や未溶融部をガウジングやグラインダーなどで削り取り、確実な溶け込みと良好な裏波を得るための重要な作業です。品質保証や溶接後の試験で不良が発見されにくくするために欠かせません。裏はつりは特に突き合わせ溶接や開先加工のある部材で多用されます。対応する溶接記号や工程も存在し、施工精度が求められる場面で利用されます。

ガウジング(はつり)作業の具体的方法と工具選定

裏はつり作業では、主にエアアークガウジングやグラインダーが使用されます。ガウジングとは、高電流を使いアーク放電で母材を局所的に溶かして削り取る方法です。グラインダーを併用することで、細部の形状や仕上げにも対応できます。作業時は次のポイントが重要です。

  • ガウジング棒の選定は、母材の種類や厚さを考慮する。
  • 溶接記号一覧表を確認し、図面指示通りに裏はつりを行う。
  • 開先のルート部まで確実に除去し、溶込み不良やスラグ巻き込みを回避する。

また、ガウジング作業やグラインダーによる仕上げでは、過剰な削りや母材損傷を防ぐため、適切な作業姿勢と道具選びが欠かせません。

ガウジング棒・グラインダーの使い分けと安全管理のポイント

ガウジングとグラインダーは、用途と手順に応じて使い分けることが効果的です。

工具名適用場面特徴
ガウジング棒主に大量除去や粗削り高効率、厚板も対応
グラインダー仕上げ、細部や最終調整刃の選択肢が豊富、精密仕上げ向き

安全管理も徹底する必要があります。作業時には次の項目を遵守してください。

  • 強い火花や粉塵が発生するため、防護メガネや手袋、耐熱服の着用を徹底。
  • 作業エリアには可燃物を排除し、換気を確保。
  • 工具の整備状況や絶縁確認を毎回行う。
  • 異常音や過熱は作業中断のサイン、即座に確認を行う。

これらのポイントを厳守することで、裏はつり作業の品質と安全性を確保できます。

サブマージアーク溶接での裏はつり注意点と対策

サブマージアーク溶接(SAW)は大電流で厚板に対応可能ですが、完全溶け込み溶接の場合は裏はつりが不可欠となります。裏波を得るため、裏当て金なしで施工する際も裏側から欠陥部を確実に削り落とす必要があります。

主な注意点は次の通りです。

  • 裏はつりの実施前に、開先の形状やルート間隔が図面通りかを再チェック。
  • ガウジング作業後はスラグや酸化物を除去し、再溶接部の清掃を丹念に行う。
  • サブマージアーク溶接で裏はつりを行う場合、母材の損傷を最小限に抑えつつ、必要な部分のみ加工するのが理想。

サブマージアーク溶接は効率が高い反面、裏側の品質確保が難しいため、裏はつり工程の丁寧な管理が優れた溶接仕上がりに直結します。

裏はつりと溶接記号の読み解き – 図面から施工指示を正確に把握する方法

裏はつりは、完全溶け込み溶接を成功させるため不可欠な工程です。設計図面には溶接記号が示されており、これらの記号を正確に読み取ることが品質や安全性維持の鍵となります。裏はつりの指示を正確に把握し、図面から必要な作業内容を理解することで、溶接作業のミスやトラブルを防ぎ、工程の効率化を実現できます。

裏はつりに関わる溶接記号一覧と補助記号の意味

溶接図面で裏はつりが必要な箇所は、専用の溶接記号や補助記号を用いて明示されます。以下のような表を用いて把握することが効果的です。

溶接記号意味活用例
完全溶け込み溶接記号完全な溶け込みを要求。裏はつりを伴う場合が多い両面突合せ溶接など
裏はつり補助記号裏面からのはつりを指示。グラインダーやガウジングで作業裏面加工指示
K開先記号厚板や完全溶け込み時に利用。裏はつり作業の有無も併記K形状の開先準備
グラインダー仕上げ記号はつり後、グラインダーで仕上げる工程を示す仕上げ加工指示

主な補助記号は図面中「補助記号エリア」や「備考欄」で追記され、指示漏れを防いでいます。 また、裏はつり工程は「完全溶け込み溶接 記号」「裏当て金の有無」など追加指示と組み合わせて示されることも多く、確実な確認が重要です。

開先裏はつりの記号と現場での活用方法

裏はつりが要求される状況では、開先部分の溶接記号とセットで指示されます。たとえば、「K開先 裏はつり」と記載されていれば裏面からのはつり加工が求められます。現場作業では次のポイントに注目してください。

  • 図面上の記号を施工前に必ず確認する
  • 指示通りにガウジングやグラインダーではつりを行う
  • 裏波(ルート)部の未溶接やスラグ巻き込みを確実に除去する

特に厚板の完全溶け込み溶接では、裏はつりが品質確保に直結します。 誤った工程や作業漏れがあると溶接不良や補修コストの発生原因となるため、開先の形状と裏はつり指示のセット確認が不可欠です。

溶接図面における裏はつり指示の読み落としを防ぐ技術

図面から裏はつりの指示を読み落とすと、重大な品質問題や手戻りの要因となります。確実に指示を把握し実行に移すためには、以下のようなチェックリストの活用が効果的です。

  • 主要な溶接記号一覧や図面凡例を事前に確認
  • 記号の意味をチーム全体で共有
  • 補助記号や備考欄の裏はつり指示も必ず見落とさない
  • 不明点は即時に設計担当へ確認

現場での確認を徹底することにより、裏はつり指定の作業漏れや誤認を防ぎ、設計意図通りの高信頼性な溶接施工が実現します。溶接記号の正しい理解は、安全・品質・コスト全てに直結する重要な技術です。

裏はつりの品質検査とトラブル防止 – 溶接検査技術の基礎知識

裏はつりは溶接の品質確保に欠かせない工程です。とくに完全溶け込み溶接では、接合部の裏面から余計な金属やスラグ、溶込み不良部を取り除くための作業として多用されています。この工程に不備があると、強度不足や漏れといったトラブルの原因となるため、最終的な品質検査とトラブル防止の観点が非常に重要です。溶接記号や各種検査技術を理解し、適切な工程管理を行うことで、現場でも高い信頼性を得ることができます。

裏はつり後の浸透探傷試験(PT)と結果の見方

裏はつり後は、溶接部の内部や表面にひび割れやピンホールが残っていないか確認する必要があります。その際に利用されるのが浸透探傷試験(PT)です。この試験は、特殊インクを使って肉眼で見えない微細な欠陥も可視化できることから、多くの現場で採用されています。

テーブル|PTの主な検査ポイント

項目チェック内容
表面欠陥ひび割れ、ピット、ブローホール
スラグ巻き込み裏面や開先部の溶込み状態
欠陥分布検査範囲全体の異常部位の有無
処置方法欠陥が発見された場合の再加工や追い溶接の要否

PTの結果、微細なひび割れや溶込み不良が認められた場合、速やかに再加工や追加の裏はつり、グラインダー仕上げなどの対応を実施します。現場では判定基準を明確にし、不合格箇所をリスト化して工程の見直しに役立てることが不可欠です。

溶込み不良やスラグ巻き込みの発見と対策

溶込み不良は強度不足や漏れのリスクを高めるため、裏はつり後の検査で早期発見が求められます。下記は発見しやすい症状や主な対策例です。

主な発見ポイント:

  • 完全溶け込みが形成されていない部位の凹凸
  • スラグや異物が表面・裏面に固着している状態
  • 裏波が滑らかに形成されていない部分

対策例:

  1. 再度の裏はつりやグラインダー仕上げで表面を均一化
  2. アークガウジング等を利用し、開先を適切に整える
  3. 溶接順序・熱量管理や溶接姿勢の見直し

特にk開先や突き合わせ溶接においては、裏面処理が甘くなりがちなため、工程ごとのセルフチェックを徹底し、漏れのない品質管理がトラブル防止につながります。

裏はつり失敗時の典型的な不具合と改善方法

裏はつりが適切に実施できていない場合、以下のような不具合が生じます。

典型的な不具合例

  • 裏波の不連続や裏側の溶接メタルの飛び出し
  • スラグ巻き込みや未溶着箇所
  • ピンホール等の微細な欠陥が残存

改善方法リスト:

  • 施行前に開先形状・ルート隙間を正確に管理
  • 作業中のアークの向きやガウジング速度を調整
  • 欠陥発見時には速やかに再加工と再検査を行う

特にガウジング作業ではガウジング棒やグラインダーの使い方が品質に直結します。作業者は溶接記号や図面を正確に読み取り、施工条件を事前に確認することが望まれます。各工程でチェックリストを活用し、作業記録を残しておくと、万一のトラブル対応にもスムーズに活用できます。

材料別の裏はつり施工上のポイント – 耐食鋼・耐熱鋼・ニッケル合金など

耐食鋼や耐熱鋼、ニッケル合金などの金属材料は、腐食や高温環境下での特性が重視されるため、裏はつり作業にも特有のポイントが求められます。特に裏はつりとは、溶接における完全溶け込み接合を達成し、内部欠陥を防ぐための不可欠な工程です。材料ごとに熱伝導性や膨張率、酸化特性が異なり、それぞれ適した作業手順や工具選定が重要になります。たとえば、サブマージアーク溶接やガウジングなどの工法選定も材料別に最適化されるべきです。

材質特徴推奨裏はつり方法注意点
ステンレス鋼耐食・熱膨張大、酸化しやすいガウジング+グラインダー仕上げ過熱による酸化・変色防止
耐熱鋼高温強度大、変形しやすい自動ガウジング熱歪み・割れに十分注意
ニッケル合金耐食・耐熱性高、熱伝導性低いグラインダー丁寧に仕上げるクラック発生・酸洗仕上げ重要

ステンレス鋼および特殊合金の溶接裏はつりの注意点

ステンレス鋼や特殊合金の完全溶け込み溶接で裏はつりを行う場合、最も注意するべきは材料の熱影響です。過剰な加熱や乱雑なガウジング作業による酸化・損傷は、溶接強度や耐食性の大きな低下につながります。ガウジングやグラインダーの選定に加え、作業時はアークの管理を徹底し、溶接のルート部にスラグや酸化皮膜が残らないようにすることが不可欠です。サブマージアーク溶接の場合でも、裏面の均一な浸透と清浄が求められます。

ポイント

  • ガウジングは短時間・低温で正確に行う
  • 溶接後はグラインダーで滑らかに仕上げる
  • 酸洗処理やパスボックス清掃で仕上げ品質を確保

特注板巻き溶接パイプへの対応事例

特注の板巻き溶接パイプなど高難度な構造物では、裏はつりの施工品質が全体耐久性に直結します。溶接記号一覧表や図面に基づき、熟練作業者が溶接開先・裏はつり記号の確認を徹底し、ガウジング棒や専用工具を使い分けて正確な裏掘りを行います。パイプ内面の精密な仕上げには、グラインダーと目視による欠陥チェックが不可欠です。

作業手順の例:

  1. ガウジング棒で裏部を丁寧に除去
  2. グラインダーでルート裏面を滑らかに仕上げ
  3. 完全溶け込み溶接後、各部の浸透検査を実施

対応事例では、k開先裏はつりや補助記号付きの図面を活用して品質管理を徹底しています。

材質ごとの作業効率化と品質管理の工夫

材料ごとに異なる熱伝導性や加工性に配慮し、作業効率と品質管理を両立させる工夫が重要です。裏はつり方法としては各種溶接記号や突き合わせ溶接の特性を理解し、作業前に適切な手順書を用意します。近年は自動ガウジングや高精度グラインダーの活用が進み、均一な仕上がりとミスの抑制に役立っています。また、安全管理の面からも作業環境の整備や保護具使用、最終検査の徹底が不可欠です。

効率化と品質向上の工夫例:

  • 適切な溶接記号と付随記号の確認
  • 材質ごとにガウジング条件を最適化
  • 作業日報と中間検査によるトラブル防止

このように、材料特性への理解と工程ごとの最適化が、安定した高品質な裏はつり施工の鍵となります。

裏はつりに使われる最新技術と設備 – 施工効率を高める革新ツール紹介

裏はつり工程は溶接品質と生産性を同時に高めるため、技術革新が不可欠です。現代の現場では、高性能ガウジング機器やAI・自動化ツール、さらには電動工具の進化によって作業効率が格段に向上しています。

最新の裏はつり技術が従来とどう異なるのか、以下で詳しく解説します。目的や作業環境に合わせた設備とノウハウを知ることで、裏はつり工程のトータル品質が高まり、高精度な完全溶け込み溶接へとつながります。

ガウジング機器の最新動向と選定基準

裏はつりにおいて、ガウジングは溶接不良部の確実な除去と開先形成に重要な役割があります。主流のエアアークガウジングや手持ちグラインダーのほか、炭酸ガスアークガウジングも高効率化が進んでいます。

現場で選ばれる最新ガウジング機器の特徴

装置名主な特徴選定基準
エアアークガウジング強力な切削性とスピード、鉄・非鉄両対応削り取る材質・開先幅の調整
グラインダー仕上げ微細部の調整、仕上げ精度が高い溶接裏面の均一性、低振動設計
サブマージアーク溶接装置分厚い部材にも高溶込み、裏はつり工程短縮作業対象の肉厚、連続作業の適合性

選定時は、作業対象の材質・厚さ、作業姿勢や裏波仕上げの精度などを考慮します。裏はつりの目的が「完全溶け込み溶接」のための場合、仕上がり精度とスピード、騒音・粉塵対策なども選定ポイントです。

電動工具のメンテナンスと長寿命化テクニック

裏はつりで使用するグラインダーやガウジング棒は、高負荷作業ゆえ定期的なメンテナンスが欠かせません。適切な管理・保守を行うことで、工具の寿命と作業品質が大きく変わります。

  • メンテナンスの基本
    1. 使用後は必ず金属粉やスラグを除去
    2. 主軸部の潤滑・ベアリング点検
    3. 電動部の通気口・冷却フィン清掃
    4. 消耗部品(ディスク・ブラシ)の定期交換
  • 延命のコツ
    • オーバーロードを避け、適切な回転数を維持
    • 作業前の空転チェックで動作確認を徹底
    • 長時間使用時はこまめな休憩を取り、発熱リスク軽減

上記を意識することで裏はつり作業の安全性と効率が保たれ、仕上げ品質も安定します。

AI・自動化支援ツール導入の可能性と実用例

近年は裏はつりの分野にもAI解析や自動化支援ツールが普及し、溶接工程と一体化した効率化・品質向上が進行しています。AI搭載の溶接監視システムやロボットアームと連動した裏はつり装置の活用が拡大中です。

  • 自動化活用例
    • 開先部の自動検知・欠陥箇所認識
    • 裏波仕上げ精度のリアルタイムモニタリング
    • ロボット制御による均一なガウジング作業

これにより作業者の技能差や疲労による品質ブレが減り、安定した完全溶け込み溶接を実現できます。今後も裏はつりの現場では、AIや自動化技術の高度化により、さらなる効率化が期待されています。

裏はつりのコストと施工判断 – 必要性の見極めと工数削減のバランス

裏はつりは高品質な溶接や構造物の耐久性確保には欠かせませんが、施工にはどうしてもコストと工数がかかります。最適な施工判断のためには、工数削減と品質保持のバランスを考慮し、必要性を正確に見極めることが重要です。近年は裏はつり専用のガウジングやグラインダー、最新の溶接技術も進化しており、適切な選択がリソースの有効活用に直結します。費用対効果・作業効率・長期的な維持管理コストなど、複合的な視点で判断する姿勢が求められます。

裏はつり有無による施工時間と費用の比較

裏はつりを実施する場合としない場合では、作業時間や費用が大きく異なります。下記に標準的な比較表をまとめます。

項目裏はつり実施時裏はつり省略時
初期施工コストやや高い低い
施工時間長い短い
完全溶け込み溶接の確実性高い低い
後工程(補修等)発生率低い高い
長期保守コスト低い高い

ポイント

  • 裏はつり実施で初期費用は増えるが、後の補修や品質管理負担は大幅に削減可能
  • 短期的なコスト削減だけを優先すると、施工不良による長期的な損失増も

コスト削減事例と品質妥協しない施策

実際の現場では、無駄な裏はつり工程を抑えつつ、品質を維持する工夫が多数導入されています。

代表的な施策例

  • 施工計画段階の設計最適化(裏当て金の活用や開先形状の工夫)
  • サブマージアーク溶接など高能率プロセスの選定
  • ガウジング技術やグラインダーを使った効率化と溶接欠陥防止

事例ポイント

  • ルート部をしっかり除去できるガウジング棒の活用で作業時間30%短縮
  • 必要部位のみ裏はつり実施→ムダな工数の排除とコスト抑制
  • 完全溶け込み溶接の条件を厳密に設定し、不要部位はグラインダー仕上げに変更

重要なのは、コスト削減が品質低下につながらないよう綿密な現場管理を徹底することです。

裏はつりの必要・不要判断基準の実際

裏はつりを行うべきか否かを判断する際、図面指示や溶接記号、用途、開先形状、部材の応力条件など総合的な基準が必要です。

判断基準のポイント

  • 溶接記号に「完全溶け込み」の指定、または突き合わせ構造部材では原則実施
  • 裏当て金を使用しない場合や開先が深いときは裏はつりが不可欠
  • 応力集中しやすい箇所や耐久性重視現場は省略不可
  • 図面上の補助記号や、ガウジング・グラインダー仕上げの指定も参考

判断フロー例

  1. 図面・溶接記号を確認
  2. 構造部材の種類・用途をチェック
  3. 裏当て金や他の代替手段の有無
  4. 裏波状況やルート部の溶け込み深さを現場確認

現場や工事規模に応じて標準工程を見直すことで、不要な作業を削減しつつ、耐久性・安全性の観点から最適な施工判断が行えます。適切な判断基準に基づく裏はつり実施は、結果的に全体コストの抑制と品質確保の両立につながります。

裏はつりの国際的な基準と英語表記 – 海外案件で役立つ基礎知識

裏はつりは、完全溶け込み溶接などで溶接の裏面に生じる未溶着部分を工具などで除去し、全断面での健全な溶接を実現するために行われる作業です。国際的な溶接施工や海外との橋梁・プラント建設案件では、裏はつりの必要性や仕様指示が重要視されます。図面や仕様書に記載される各国の表記や取り扱いの違い、検査方法についても事前理解が求められます。

裏はつりの英語表記と関連用語の理解

裏はつりは英語で「Back Gouging」や「Back Chipping」と表現されます。これらは国際規格やISOで記載され、以下のような違いがあります。

用語意味・説明よく使われるシーン
Back Gouging溶接裏面をアークやガウジング棒、グラインダーで削る方法完全溶け込み溶接や高規格の配管工事
Back Chippingチッピングハンマーや手工具による裏面の削り取り小径配管や細部の手作業
Gougingアークガウジングやエアガウジング棒で大きくはつる作業溶接後の裏はつりや修正

主な関連用語リスト

  • グラインダー仕上げ(Grinder Finish)
  • 溶接記号(Welding Symbols):図面で「BG」や「GC」など略される
  • 完全溶け込み溶接(Full Penetration Weld)

裏はつりは「back gouging」を使うのが一般的ですが、図面上の溶接記号や仕様書で細かい要求事項がある場合にも注意が必要です。

「裏斫り」との違いや国際規格との対応状況

「裏斫り(うらはつり)」は、日本の建築・土木分野でコンクリートや鉄筋部材の表面を削る作業も含みます。英語では「chipping」や「scabbling」を用いる場合が多く、溶接分野の「裏はつり」とは区別が必要です。

国際規格(例:ISO、AWS D1.1、ASME Sec IX等)では、裏はつり=Back Gougingとして明確に扱われており、溶接部の品質保証や超音波探傷試験(UT)、放射線検査(RT)に適合する溶け込みを確保する手段として必須とされています。海外案件では日本独自の「裏はつり」手法が伝わりにくい場合もあるため、対応する英語表記と技術的説明を正確に伝える必要があります。

海外図面・仕様書での裏はつり指示例と注意点

国際案件では裏はつりの指示が図面の溶接記号や仕様書に明記されます。最も多いのは「Back Gouge」と「Full Penetration with Back Gouging」を用いた指示です。英語記載による代表的な指示例を紹介します。

図面記号例指示内容
“BG”Back Gouge(裏はつりを行うこと)
“Full Penetration”完全溶け込み溶接が求められる
“Grind Flush”はつり後をグラインダーで平滑に仕上げる
“Gouge & Reweld”裏面をガウジング後、再溶接する

海外案件でのよくある注意点

  • 裏はつり・再溶接は検査工程で必須となることが多い
  • 指示内容が国・規格により異なるため、必ず現地仕様書を確認する
  • 図面や溶接記号一覧表を見て早合点せず、必ず英訳や補足説明を現地担当者と共有することが重要

作業手順リスト

  1. 図面や仕様書で裏はつり(Back Gouging)の有無を確認
  2. 使用する溶接記号や記載方法を把握
  3. ガウジングやグラインダーなど適切な工具を選択
  4. 作業後の検査法(UT、RTなど)に備え仕上げを丁寧に行う

海外案件では現地の技術者と緊密に情報を共有し、国際規格や言語の壁を正確な技術用語で乗り越えることが高品質な工事に不可欠です。

高萩架設の裏はつり施工実績と技術力 – 安全・品質を両立するプロの選択肢

高萩架設は、裏はつり施工において数多くの現場実績と独自の技術力で高い評価を受けています。現場状況や構造物に合わせて、最適な裏はつり方法を選択し、溶接品質の向上や欠陥防止に貢献しています。特に完全溶け込み溶接やサブマージアーク溶接など、要求精度の高い工事に強みを持ち、施工の安定性と安全性を両立している点が特徴です。裏はつりの目的やルート選定、開先の最適化から、ガウジングやグラインダーによる仕上げまで、全工程にわたり徹底した品質管理を実現しています。

施工後の裏波検査や溶接記号を読み取った目的に応じた工程提案も柔軟で、産業インフラ向けから建築現場まで幅広く対応可能です。高萩架設のプロフェッショナルが担う裏はつりは、ユーザーから「安心して任せられる」と高く支持されています。

資格保有者による高精度はつり施工の特徴

高萩架設には溶接施工管理技士や各種溶接資格保有者が多数在籍しており、裏はつりに関する高度な知識と現場経験を兼ね備えています。クライアントのご要望に応じて、「k開先裏はつり」や特殊ガウジング棒を用いた難易度の高い工程にも対応し、均一な施工と安定した強度を確保します。

また、作業時には以下のような流れで作業精度と安全性を両立します。

  • 施工図面から溶接記号一覧表を照合・確認
  • 最適な開先方法・裏はつり手順を提案
  • ガウジングやグラインダーを使った丁寧な除去工程
  • 溶接部ののど厚や裏波を厳密にチェック
  • 完成後には非破壊検査で品質保証

これにより欠陥やスラグ巻き込み、溶込み不良といったリスクを最小限に抑え、長期耐久性と高い安全基準を守ります。

ISO9001取得企業としての品質保証体制

高萩架設はISO9001認証を取得し、裏はつりを含む全ての溶接工程において国際基準を満たす品質保証体制を整えています。社内の標準作業手順書に基づき、各工程でダブルチェック体制を徹底。万が一の施工ミスや工程不備を未然に防止します。

さらに、下記のような点で顧客満足度を追求しています。

  • 定期的な社内技術研修
  • 最新アーク機器・工具の導入
  • 適切な安全対策とリスク管理

品質管理部門が主導する工程監査や、施工実績に基づくフィードバックにより、常に高い品質を維持しています。

無料相談・見積もりサービスと施工後フォロー体制詳細

高萩架設では裏はつり施工前の無料相談および見積もりサービスにより、最適な施工方法や必要な工程、コスト面について明確なご案内を行っています。専門スタッフが現場調査から工程提案、見積もり作成までスピーディーに対応し、お客様の不安を解消します。

また、施工完了後にも充実したフォロー体制を用意しています。

サービス内容詳細
現場調査・ヒアリング担当者が現地に伺い具体的な要望や課題を伺います
無料見積もり・工程提案施工前にわかりやすい見積書と最適な裏はつりプランを提示
施工後品質保証完了後も定期点検や不具合発生時の迅速な対応をお約束
技術相談ホットライン裏はつりに関するご質問や急なトラブルにも専門担当が対応

このように、高萩架設は溶接現場の信頼できるパートナーとして、裏はつりに特化したプロ品質とサポート体制を両立し、より高い顧客満足を追求しています。

執筆者プロフィール

いばらき解体センターは茨城県に本社を置き、住宅解体を含む住宅関連の施工実績3,000件を誇る地域屈指の住宅解体特化でサービス提供しております。戸建てやマンション,ビルなど茨城県に特化して最短現地調査2日で地域最安値で住宅解体を引き受けます。その上で、単に住宅を解体するだけでなく、解体後の土地売却や建て直しなども最適にご提案しております。

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